「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第2期は、火星を拠点に新たなステージへと進んだ鉄華団の活躍と、その運命の行方を描いています。
第1期で大きな成果を上げた彼らは、第2期でさらなる成長と困難に直面します。
今回は、鉄華団の拡大とそれに伴う犠牲、そして彼らの最終的な結末に至る物語を追っていきます。
鉄華団の新たな挑戦と拡大
第2期は、エドモントンでの勝利から2年後、鉄華団が火星へと帰還し、経済的・軍事的な成長を遂げたところから始まります。
彼らはハーフメタル利権によって豊富な資金を得て、地球にも支部を持つ企業へと発展します。
その反面、ギャラルホルンは社会的信用を失い、世界の治安は悪化し、モビルスーツの開発促進、少年兵やヒューマンデブリが増加します。
こうして、彼らと社会を取り巻く緊張感は新たな段階へと進んでいきます。
あらすじ
第26話 - 第29話: 宇宙海賊「夜明けの地平線団」との激闘
物語序盤、クーデリア・藍那・バーンスタインが設立したアドモス商会の護衛を依頼された鉄華団は、宇宙海賊「夜明けの地平線団」との戦いに巻き込まれます。
三日月オーガスは新たな機体「ガンダム・バルバトスルプス」に乗り込み、圧倒的な力で海賊を撃退しますが、そこにギャラルホルンの第二艦隊司令官、イオク・クジャン率いる部隊が介入。
戦況は混迷を極めるものの、鉄華団は宇宙海賊「夜明けの地平線団」に勝利を収め、鉄華団の名を宇宙に響かせます。
第30話 - 第33話: 地球支部の戦いと裏切り
同じ頃、地球ではアーブラウ防衛軍発足式典でテロが発生、蒔苗東護ノ介とチャド・チャダーンが負傷。
これをきっかけにアーブラウ防衛軍とSAUの間で武力紛争が勃発。
鉄華団地球支部は、巻き込まれる形で紛争に関与しますが、そこでラディーチェ・リロトによる裏切りや、ラスタル・エリオンの部下であるガラン・モッサの策略によって仕組まれたものでした。
この紛争は、鉄華団に多大な犠牲を強いるものの、最終的に火星から状況を確認しに来た三日月らによって決着がつけられ、鉄華団は地球から撤退、再び火星へ帰還します。
第34話 - 第38話: ハシュマルとの死闘
火星に戻った鉄華団は、厄祭戦時代の兵器「モビルアーマー・ハシュマル」の発掘に直面します。
これに対し、鉄華団はマクギリス・ファリドと協力して対処にあたりますが、ギャラルホルンのイオク・クジャンが引き起こした騒動によってハシュマルが再起動、大規模な破壊活動を始めます。
クリュセの市民を守るため、三日月は阿頼耶識システムのリミッターを解除してハシュマルを撃破。
しかし、右半身の感覚を失うという大きな代償を払います。
第39話 - 第42話: 名瀬とタービンズの悲劇
鉄華団は同盟を結んでいたタービンズと共に、テイワズ内部の陰謀に巻き込まれます。
テイワズのナンバー2であるジャスレイ・ドノミコルスは、タービンズ壊滅を狙ってイオクを扇動し、タービンズのリーダーで、鉄華団の兄貴分である名瀬・タービンとその妻アミダを戦死させます。
名瀬の死は鉄華団に深い悲しみと怒りをもたらし、オルガはジャスレイへの復讐を決意。
三日月と昭弘・アルトランドが率いる鉄華団は、ジャスレイ率いる大部隊を一方的に壊滅させ、復讐を果たします。
第43話 - 第46話: 革命とアリアンロッドとの対決
物語はクライマックスへと突入します。
マクギリスはギャラルホルン本部を占拠し、ガンダム・バエルを手に入れて革命を起こそうとしますが、ギャラルホルンの実力者ラスタル・エリオンと、第1期最終回で死亡したと思われたガエリオ・ボードウィンによる激しい反撃に遭います。
鉄華団はテイワズを離れ革命軍に加わり、激闘を繰り広げます。
窮地に陥る中、ノルバ・シノはガンダム・フラウロスでラスタルへの奇襲を試みますが失敗。
シノはこの戦いで命を落とし、鉄華団とマクギリスの勢力は圧倒的な劣勢に追い込まれます。
第47話 - 第50話: 壊滅への道
革命軍と鉄華団は火星へと撤退しますが、ラスタルの世論操作により完全に孤立。
指名手配され、追い詰められたオルガは、団員の命を救うためにラスタルに交渉を試みますが、拒絶されてしまいます。
オルガは鉄華団を逃がそうと尽力し、手はずを整えた直後、襲撃に遭い命を落とします。
オルガの死に動揺する鉄華団。
しかしオルガが整えた脱出計画を実行すべく、行動を起こします。
三日月と昭弘は鉄華団メンバーの脱出を成功させるため、鉄華団を取り囲んだギャラルホルンと戦い、壮絶な最期を迎えます。
鉄華団の主要メンバーが次々と命を落とす中、物語は終焉に向かって突き進んでいきます。
結末: 新たな時代の幕開け
ガエリオにとどめを刺されたマクギリス。
彼の革命は失敗に終わり、彼の野望はラスタルによって打ち砕かれます。
ラスタルはギャラルホルンを再編し、より民主的な組織へと変革を進める一方、火星の植民地は地球の経済圏から独立を果たし、クーデリアは火星連合の代表として火星に新たな時代をもたらします。
生き残った鉄華団のメンバーたちはそれぞれの道を歩み始め、三日月の遺児である暁は、クーデリアとアトラと共に平和な日々を送ります。
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第2期 絶対見るべき印象深いエピソード
第2期の「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」は、鉄華団が火星での成功を背景に、さらに大きな戦いへと巻き込まれていく姿を描きます。
彼らは成長し、力を手に入れる一方で、社会やギャラルホルンの闇に立ち向かう中で多くの犠牲を払っていきます。
今回は、第2期の中でも特に印象深い6つのエピソードを詳しく紹介します。
第32話「友よ」
あらすじ
鉄華団が設立した地球支部は、アーブラウ防衛軍の軍事顧問としての役割を担っていたため、アーブラウ防衛軍発足式典で発生したテロをきっかけに、アーブラウ防衛軍とSAUの間の武力紛争に巻き込まれることに。
ラスタル・エリオンの部下であるガラン・モッサの策略により、絶え間なく続く戦闘に疲弊していく鉄華団。
この紛争に疑念を抱いたマクギリスは、ギャラルホルンとして戦闘に介入。
この戦闘を終結させたいタカキ・ウノとアストンを煽り、マクギリスを狙わせるガラン。
しかし今まさにマクギリスを撃たんとしたその瞬間、タカキをかばってアストンが命を落とします。
そこに三日月らが現れ、ラディーチェとガラン・モッサの策略が明るみになるのでした。
印象深さ
かつてヒューマンデブリだったアストンが、鉄華団で人として扱われ、タカキという友人を得、幸せを感じていたにもかかわらず、ラディーチェやガランといった大人たちの思惑に振り回され戦死するという悲しい運命を、視聴者の心に刻み付けるエピソードです。
第38話「天使を狩る者」
あらすじ
火星の採掘現場で発見されたモビルアーマー「ハシュマル」。
マクギリスを追跡していたギャラルホルンのイオク・クジャンの軽率な行動によってハシュマルが完全に覚醒、クリュセ近郊の農業プラントを破壊し始めます。
鉄華団は、マクギリス・ファリドと協力し、この脅威に立ち向かいますが、事態は急速に悪化。
さらなる破壊をもたらす中、三日月・オーガスは阿頼耶識のリミッターを解除してバルバトスでハシュマルに挑み、最終的にこれを撃破します。
しかし、その代償として三日月は右半身の感覚を完全に失うこととなります。
印象深さ
「天使を狩る者」では、戦争の恐怖だけでなく、テクノロジーがもたらす予測不能な脅威が描かれます。
三日月の犠牲的な行動と圧倒的な戦闘力がこのエピソードのハイライトです。
バルバトスとハシュマルの戦闘シーンは見ごたえ十分、目が離せません。
第40話「燃ゆる太陽に照らされて」
あらすじ
テイワズのナンバー2であるジャスレイ・ドノミコルスは、勢いにのる鉄華団とその兄貴分であるタービンズが気に入らない。
彼らを破滅させるべく、イオクを利用して陰謀をめぐらし、タービンズに違法組織の汚名を着せます。
ギャラルホルンに追い詰められたタービンズは、非戦闘員を逃がし、リーダーの名瀬・タービンが独りギャラルホルンに対して投降、罪を背負おうとします。
しかし投降を許さないイオクは名瀬をダインスレイブで攻撃、名瀬はギャラルホルン艦隊に母艦ハンマーヘッドごと突っ込み、護衛についたアミダ・アルカと共に戦死。
残されたタービンズの面々、助けることができなかった鉄華団のメンバーにクーデリア、皆深い悲しみに包まれます。
印象深さ
このエピソードでは、名瀬・タービンとアミダ・アルカの死が鉄華団に深い悲しみをもたらし、それが一層彼らの結束と復讐心を強めます。
ギャラルホルンの横暴、社会の理不尽さとそれでも運命に抗い強く生きようとする人々の姿が、強く心に残ります。
第45話「これが最後なら」
あらすじ
鉄華団とマクギリスが率いる革命軍は、ギャラルホルンのラスタル・エリオン率いるアリアンロッド艦隊との最終決戦に突入します。
マクギリスはガンダム・バエルを手に入れたものの、ギャラルホルンの上層部から支持を得られず、圧倒的な兵力差で追い詰められます。
一方、革命軍に加わった鉄華団はマクギリスに従い戦いますが、ダインスレイブによる攻撃で劣勢を強いられます。
ガンダム・フラウロスのパイロットであるシノがラスタルへの特攻を試みますが、ジュリエッタに阻まれ失敗、命を落とします。
印象深さ
シノの死は鉄華団にとって大きな痛手であり、彼の勇気と無念さが視聴者の心に強く残ります。
戦いの無情さと、仲間を失う悲しみが痛烈に描かれており、鉄華団の未来がますます不安定になっていくのが感じられるエピソードです。
第48話「約束」
あらすじ
鉄華団とマクギリスの革命軍は敗北の色を濃くし、ついに火星への撤退を余儀なくされます。
鉄華団はマクギリスから離れ、自らの道を模索しようとしますが、世論操作によりギャラルホルンの指名手配犯として追われることになります。
ラスタルに降伏交渉を試みたが拒否されたオルガは、団員たちの命を守るため、アーブラウの蒔苗東護ノ介の助けを得ようと、クーデリアのアドモス商会へ向かい、脱出計画の手はずを整えます。
テイワズの支援も得られることになり、これで鉄華団のメンバーが生き残る道筋が見えた矢先、ノブリス・ゴルドンの手下によって銃撃され、オルガは命を奪われます。
印象深さ
オルガの死は、鉄華団にとって最も大きな転機であり、彼がいかに鉄華団を支え続けたかが深く描かれています。
「約束」というタイトルが示すように、オルガの死によって彼の夢が一度は途絶えるものの、彼が仲間たちに残した思いが今後の彼らの運命を左右していきます。
「止まるんじゃねえぞ」というオルガの最期の言葉は、視聴者に強い感情的なインパクトを残します。
第50話「彼等の居場所」
あらすじ
シリーズ最終話、鉄華団は最終的にギャラルホルンの包囲網から逃れようと最後の戦いに挑みます。
三日月と昭弘は、仲間たちが脱出する時間を稼ぐため、鉄華団を取り囲む多くのギャラルホルンのモビルスーツを倒しますが、アリアンロッドの空からのダインスレイブ攻撃を受け、瀕死の状態に陥ります。
意識がなくなっても戦い続けた三日月、最後に因縁の相手イオク・クジャンを撃った昭弘、彼らは壮絶な最期を迎えます。
ガエリオとの最終決戦に敗北したことで、マクギリスの革命も完全に崩壊します。
この「マクギリス・ファリド事件」をきっかけに、ギャラルホルンはより民主的な組織へ再編され、ラスタル・エリオンが初代代表に就任。
火星は地球経済圏の統治から解放され独立、クーデリアは火星連合の初代議長となり、自治体制を確立し、生き残った鉄華団のメンバーたちは新たな人生を歩み始めます。
印象深さ
「彼等の居場所」は、鉄華団の壮絶な終焉と、彼らが追い求めた夢の代償が描かれた感動的なフィナーレです。
三日月と昭弘の最期は視聴者に深い衝撃を与え、物語全体を通じて描かれてきた「生きる意味」と「仲間との絆」というテーマが強く響きます。
クーデリアと鉄華団の生き残りメンバーたちが新たな道を歩む姿は、希望とともに物語を締めくくります。
まとめ
第2期の「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」は、鉄華団のメンバーたちが大きな夢と強い意志を持って戦い続けた物語です。
しかし、その夢を追う中で多くの犠牲を伴い、彼らの選んだ道は険しく悲劇的なものでした。
それでも、彼らの信念と絆は揺るがず、彼らが戦った結果は新たな未来を築き上げます。
この6つのエピソードは、その壮絶な物語の核となる瞬間であり、視聴者に深い感動を与えます。