「コードギアス 亡国のアキト」は、人気アニメシリーズ「コードギアス」のスピンオフ作品として注目を集めました。
この作品は、ユーロピア共和国連合(E.U.)と神聖ブリタニア帝国の戦争を舞台に、新たな主人公たちが織りなす壮絶な戦いとドラマを描いています。
本編とは異なる視点から「コードギアス」の世界観を掘り下げ、複雑な人間関係や戦場での葛藤が物語を深めています。
本記事では、「コードギアス 亡国のアキト」のストーリーを詳しく紹介しながら、物語の舞台となる戦乱の世界、そして運命に翻弄される若者たちの運命に迫ります。(※ネタバレ注意!)
イントロダクション
皇暦2017年、神聖ブリタニア帝国による日本占領から7年が経過。
日本は「エリア11」として圧政を受け、同時にE.U.(ユーロピア共和国連合)もユーロ・ブリタニアとの戦争で疲弊していた。
E.U.は、イレヴンの少年少女を使い捨てとして前線に送る特殊部隊「wZERO(ダブルゼロ)」を編成。
その中で、守るべき国を失った日向アキトは生存率の低い戦いに身を投じていく。
第1章 「翼竜は舞い降りた」(THE WYVERN ARRIVES)
皇歴2017年5月7日、ペテルブルク奪還のためにユーロ・ブリタニア軍との戦闘に入ったE.U.軍132連隊は作戦に失敗。
四大騎士団の一つ聖ラファエル騎士団にナルヴァで包囲され、132連帯の脱出路を確保すべく投入された「wZERO(ダブルゼロ)」部隊だが、司令官アノウが強要した自爆作戦により戦局は悪化。
アノウのやり方に異議を唱えた参謀のレイラ・マルカルによる司令官権限奪取とアキトの奮戦により、なんとか132連隊の撤退に成功。
この戦いで「wZERO」部隊は「ハンニバルの亡霊」と呼ばれるように。しかし、生還した兵士はアキトのみ。
ナルヴァ撤退作戦後、アキトは少尉から中尉に、レイラは「wZERO」の司令官に昇進。
佐山リョウ率いる成瀬ユキヤ、香坂アヤノらイレヴンの少年グループは、ジィーン・スマイラス将軍誘拐作戦を決行するも、アキトの働きによって全員拘束、戦闘員不足の「wZERO」に入隊することになる。
一方、ユーロ・ブリタニア軍では四大騎士団の1つである聖ミカエル騎士団総帥、ミケーレ・マンフレディが側近のシン・ヒュウガ・シャイングのギアスによって自害させられる。
第2章 「引き裂かれし翼竜」(THE WYVERN DIVIDED)
マンフレディの「自害」から1か月、ユーロ・ブリタニアではシンが聖ミカエル騎士団の総帥となる。
一方、「wZERO」はリョウ、ユキヤ、アヤノにアキトを加えた4人による戦闘部隊「ワイヴァン隊」を結成、大気圏離脱式超長距離輸送機「アポロンの馬車」で成層圏からブリタニア軍背後に回り込み、E.U.のワルシャワ駐屯軍本隊を援護するという、無謀な作戦指示が通達されていた。
作戦指示に従い、アポロンの馬車は発射され、「ワイヴァン隊」とレイラ機、レイラが展開する無人機で構成された部隊は、目的地であるスロニムへの着陸に成功する。
しかし、リョウたちの反乱や聖ミカエル騎士団のアシュレイ・アシュラ率いるアシュラ隊の急襲により、アキトらは窮地に陥る。
そんな中、アキトが「ブレインレイドシステム(BRS)」を発動、アシュラ隊を翻弄すると共に、「ワイヴァン隊」の3人を彼らに埋め込まれたニューロデバイスを通して操り、戦況を優位に進めていく。
※ブレインレイドシステム(BRS)とは、パイロットの意識をニューロデバイスを通して拡張・同調させ、パイロット同士の知覚情報を共有、戦場を正確に把握することを可能とするシステム、のことだよ。
しかし、戦闘中、シンの気配を感じ取ったアキトと、同じくアキトの気配を感じ取ったシンは再会。レイラはアキトとシンが邂逅場面に遭遇し、彼らが幼少時に袂を分かった実の兄弟であることを知る。
シンはアキトを自分の陣営に組み込もうとするが失敗、撤退する。
そのころ、ユーロ・ブリタニアにはブリタニア本国から護衛の枢木スザクと共に軍師のジュリアス・キングスレイ(記憶を改ざんされたルルーシュ)が派遣されていた。
第3章 「輝くもの天より堕つ」(THE BRIGHTNESS FALLS)
スロニム戦から1か月後、ワイヴァン隊は帰還できず、補給部隊に左遷されたアノウによってIDを抹消され、行き場を失っていた。そんな中、旅の老婆たちと出会い、アキトたちはしばらくの間共同生活を送る。
レイラはアキトに父親が暗殺された過去を明かし、一方アキトは過去に家族を失ったことを打ち明け、二人は心を通わせる。
レイラは大婆の占いを通じて、かつて森の魔女と出会いギアスを与えられた記憶を取り戻し、その力が「大事な人を助ける」と告げられる。
ユキヤの活躍でアキトたちのIDが復活、ワイヴァン隊はヴァイスボルフ城へ帰還する。帰還の途中、アキトはレイラに日本へ行きたいという願いを打ち明ける。
その頃、北海の洋上発電所爆破を予告するテロリスト「方舟の船団」が現れ、E.U.内部は混乱に陥る。
ユーロ・ブリタニアに派遣されたジュリアス・キングスレイはこれを利用して市民を恐怖で支配し、ユーロ・ブリタニアを掌握。
E.U.内での暴動が広がる中、スマイラス将軍は政府打倒を決意するが、その前に「時空の管理者」なる者が現れ、シンの命を要求する。
一方、ジュリアスの正体がゼロ、すなわち第11皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアであることを見抜いたシンは、大貴族会議でゼロの正体を暴露し、ユーロ・ブリタニアが生き残るためにはE.U.とブリタニア本国の双方に対して戦争を起こす必要があると宣言。
さらに、聖ガブリエル騎士団と聖ウリエル騎士団の総帥の首を公開、権力を掌握しようとする。
ヴァイスボルフ城では、レイラが「方舟の船団」がユーロ・ブリタニアの陰謀であることを見抜き、強襲作戦を決意する。
ワイヴァン隊は「方舟の船団」との戦いに向けて出撃する。
第4章 「憎しみの記憶から」(MEMORIES OF HATRED)
ワイヴァン隊が「方舟の船団」への強襲を進行する中、シンが側近のジャン・ロウと共にヴァイスボルフ城へ向かっていた。
アキトたちから送られたデータを基に、レイラは「方舟の船団」がユーロ・ブリタニアの陰謀であることを確信し、スマイラス将軍に事実を公表するよう進言する。
方舟では、新型機アフラマズダを操るアシュレイが待ち構えており、アキトたちは激戦に突入する。
アキトはギアスに支配されてアシュレイを殺そうとするが、リョウたちのブレインレイドによりギアスから解放される。
アシュレイは戦死したヨハネ・ファビウスの敵討ちを試みるが、銃が弾切れとなり断念する。
一方、レイラは父が説いた「自由の責任」を訴え、政府のイレヴンへの弾圧に反対する演説を行い、市民の支持を得るが、直後に方舟が自爆し、ワイヴァン隊との連絡が途絶えてしまい、レイラは一時戦意を喪失する。
その間、シンがヴァイスボルフ城を襲撃するも、レイラは副司令クラウス・ウォリックの助言で防衛を成功させる。
しかし、スマイラス将軍がクーデターを起こし、レイラが死亡したと市民に発表。スマイラスはクラウスを通じてユーロ・ブリタニアと内通していたのである。
一方、ジュリアスとスザクはシンの指示でカエサル大宮殿に幽閉されていた。
その後、レイラはシンとの交渉に赴くが、シンはヴァイスボルフ城の全員を殺し、さらにアポロンの馬車で帝都ペンドラゴンを攻撃し、皇帝を殺害して世界大戦を引き起こす計画を企んでいた。
交渉の最中、シンはレイラをギアスで殺そうとするが失敗、アキトたちが到着し、レイラを救出。アシュレイもシンを裏切り、アキトと共に城へ戻る。
ユキヤは聖ミカエル騎士団に対し爆弾で攻撃を試みるが、その位置を察知され、方舟もろとも撃墜されてしまう。
最終章 「愛シキモノタチへ」(TO BELOVED ONES)
ユキヤがアキトとレイラによって救出され、彼の働きで聖ミカエル騎士団の戦力は3分の1に減少する。
しかし、戦況は依然として不利だった。「wZERO」部隊はハメル特務隊のアレクサンダと新型ドローンを投入、アシュレイも協力してアキトの機体を強化する。
アキトは出撃前に三つ編みを切り、もしもの時のためにレイラに託すが、レイラは彼の帰還を信じて送り出す。
総攻撃が始まり、聖ミカエル騎士団の三剣豪が自爆攻撃でヴァイスボルフ城に突入。レイラは防衛システムを起動し、アキトとアシュレイのKMF部隊が迎撃する。
アキトとシンの戦いが激化する中、ユキヤは仲間のために世界を愛するという結論に達し、大型砲カンタベリーを撃破。
ジャンもシンを止めようとするが、既に彼のギアスは暴走していた。シンのギアスとBRSが連動し、シンとアキトの戦いは現実から姿を消し、二人は過去の幻影に引き込まれる。
幻影の中、シンは自分が両親に絶望し、愛する人を死によって救おうとし、ギアスを得た過去を振り返る。
一方、歩兵隊が指令室に突入し、レイラを除く全員が撃ち殺され、絶望するレイラの前に、時空の管理者が現れる。
時空の管理者は人の可能性を信じるレイラの主張を認め、時間を巻き戻し、レイラは司令室を守り抜き、戦闘停止を申し入れる。
現実世界に戻ったアキトとシンの戦いは続いていたが、ジャンが間に入って止め、ジャンはシンの刀に貫かれると同時にシンを撃つ。
致命傷を負ったシンはアキトへの愛を思い出し、ジャンの本名を呼びながら息を引き取る。
シンの死後、聖ミカエル騎士団は「wZERO」部隊によって退けられ、スマイラスはアシュラ隊に敗北し戦死。
これによりクーデターは失敗、ユーロ・ブリタニアはシンの反乱を理由に本国の介入を受け、戦争の主導権を失う。
その後、レイラはワルシャワで出会った老婆たちと再会し、アキトやリョウたちと共に平和な旅を続ける。
軍や家を捨てたことに未練がないかと問うアキトに、レイラは今が充実していると答え、「wZERO」の戦いはここで幕を閉じた。
幽閉されいたスザクとジュリアスの元に本国から使者ロロが現れ、再び世界は混乱に向かう兆しを見せる。